近年、正味ゼロエネルギー住宅と呼ばれるZEH(ゼッチ)仕様の住宅が注目を集めています。しかし、わざわざ住宅をZEH仕様にする必要性があるのでしょうか?ZEHについて詳しく説明していきます。

ZEHとは?

ZEHは、断熱効果を高めて冷暖房設備を効率よく使えるようにした省エネルギー性能の向上と、太陽光発電などの発電設備を設置することでエネルギーを作り出すことができる創エネルギー設備の両方を備えた住宅の中でも、特に年間消費エネルギーを実質ゼロ以下とした住宅のことをいいます。
現在は、原子力発電所が操業を停止していることで日本のエネルギー事情はあまり余裕がある状態ではありません。その中で、正味エネルギー消費量をゼロ以下とするZEHは注目を集めており、資源エネルギー庁でも新築住宅の標準をZEHとする構想を発表しています。
それに伴って、国の施策の一つとして「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」があり、対象となるZEH住宅の建築に対して最大150万円を支給しています。国としては、それだけZEH住宅に期待をしているのです。ただし、建てる側としてはわざわざZEH住宅にする必要性を感じられないかもしれません。そのため、ZEHのメリットを知ることでその必要性をかんがえてみましょう。

ZEHのメリットは?

ZEHには地球環境に優しいといったメリットもありますが、必要性を感じられるメリットとしてはどのようなものがあるでしょうか?例えば、光熱費を抑えることができるというのはZEHの必要性を直接的に感じられるメリットとなるでしょう。ZEHは自宅で生成した電力で賄うため、基本的に電気代は無料となります。また、余分な電気については売電が可能なので、毎月の電気代+売電代金が手元に残る、ということになります。これはZEHの必要性がよくわかるメリットでしょう。
また、ZEH住宅には蓄電池が設置されていることも多く、電力消費が小さい日中に電気を生成して、夜間にその電力を使えるようにしています。しかし、蓄電池は普段の生活だけではなく、災害時にも大きな力を発揮します。蓄電池にたまっている電気を使うことができるので、急な停電が起こった場合も問題なく電気を使用でき、大地震などで長期的に電気が止まってしまった場合でも発電機と蓄電池によって電力を確保することができます。災害に強いというのも、ZEHの必要性の一つです。
ただし、ZEH住宅は通常の住宅よりも設備コストがかかります。そのため、補助金が出ている今のうちに建ててしまった方がいいかもしれません。ZEH住宅は多くのメリットがあり、将来的にエネルギー不足となった場合は必要性が高くなると思われます。そうなった時に慌てないよう、今のうちからZEH住宅にしておくといいのではないでしょうか。